最低賃金 都道府県ランキング【2026年最新】|全47県が1,000円超え

最低賃金は、すべての労働者の賃金の下限を国と都道府県が定める制度です。現在すべての都道府県で施行されているのは2025年度(令和7年度)の改定額で、全国加重平均は1,121円。前年度の1,055円から**+66円(+6.3%)**と、金額・率ともに過去最大の引上げになりました。

本記事では、厚生労働省が公表した47都道府県の全額を一覧化し、地域格差の構造と、進行中の2026年度(令和8年度)改定の状況までを整理します。

本記事の更新時点: 2026年8月14日 本文の47都道府県一覧は2025年度(令和7年度)の確定額です。2026年度の改定は中央最低賃金審議会の「目安」が示された段階で、各都道府県の答申は進行中です。詳細は2026年度(令和8年度)の改定はどこまで決まったかで扱います。

要点を先に整理すると、次のとおりです。

  • 最高は東京都 1,226円最低は高知県・宮崎県・沖縄県の 1,023円203円差(1.1984倍)
  • 1,000円未満の県がゼロになった。前年度は47県中31県が3桁だった
  • 格差は縮小した。前年度の212円差・1.2229倍から、203円差・1.1984倍へ
  • 引上げ額は地方のほうが大きい。熊本+82円・大分+81円に対し、東京・神奈川は+63円
  • 単純平均は 1,067.09円(47県の素直な平均)、加重平均は 1,121円(労働者数を加味した厚労省公表値)

地域別最低賃金とは — 加重平均と単純平均の違い

最低賃金には、都道府県ごとに全産業へ適用される「地域別最低賃金」と、特定の産業だけに上乗せで設定される「特定(産業別)最低賃金」があります。本記事が扱うのは前者で、パート・アルバイト・派遣を含むすべての労働者に適用されます。使用者はこの額以上を支払う義務があり、下回る取り決めをしても法律上は無効です(不足分の支払い義務が残ります)。

ニュースで「全国平均◯◯円」と報じられる数字は、都道府県ごとの適用労働者数で重みづけした加重平均です。労働者は都市部に集中しているため、東京・大阪といった高額県の影響が強く出ます。

2025年度の場合、両者はこうずれます。

平均の取り方2025年度意味
全国加重平均(厚労省公表)1,121円労働者数で重みづけ。都市部の影響が強い
47都道府県の単純平均1,067.09円47県を対等に扱った平均

差は約54円。この54円が「報道される全国平均」と「地方で暮らす人の肌感覚」のズレの正体です。実際、加重平均1,121円を上回るのは東京・神奈川・大阪・埼玉・千葉・愛知・京都の7都府県だけで、残る40道府県は全国平均を下回ります。単純平均1,067円を基準にしても、上回るのは15都道府県にとどまります。

なお、時給1,121円で月150時間働いた場合の月収は168,150円(額面)です。ここから社会保険料や税が引かれます。

都道府県別 最低賃金 全47都道府県一覧(2025年度/令和7年度)

厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」より、金額順に並べた全47都道府県です。同額は同順位としています。

順位都道府県2025年度(円)2024年度(円)引上げ額(円)引上げ率(%)
1東京都1,2261,163+635.4
2神奈川県1,2251,162+635.4
3大阪府1,1771,114+635.7
4埼玉県1,1411,078+635.8
5千葉県1,1401,076+645.9
5愛知県1,1401,077+635.8
7京都府1,1221,058+646.0
8兵庫県1,1161,052+646.1
9静岡県1,0971,034+636.1
10三重県1,0871,023+646.3
11広島県1,0851,020+656.4
12滋賀県1,0801,017+636.2
13北海道1,0751,010+656.4
14茨城県1,0741,005+696.9
15栃木県1,0681,004+646.4
16岐阜県1,0651,001+646.4
17群馬県1,063985+787.9
18富山県1,062998+646.4
19長野県1,061998+636.3
20福岡県1,057992+656.6
21石川県1,054984+707.1
22福井県1,053984+697.0
23山梨県1,052988+646.5
24奈良県1,051986+656.6
25新潟県1,050985+656.6
26岡山県1,047982+656.6
27徳島県1,046980+666.7
28和歌山県1,045980+656.6
29山口県1,043979+646.5
30宮城県1,038973+656.7
31香川県1,036970+666.8
32大分県1,035954+818.5
33熊本県1,034952+828.6
34福島県1,033955+788.2
34島根県1,033962+717.4
34愛媛県1,033956+778.1
37山形県1,032955+778.1
38岩手県1,031952+798.3
38秋田県1,031951+808.4
38長崎県1,031953+788.2
41鳥取県1,030957+737.6
41佐賀県1,030956+747.7
43青森県1,029953+768.0
44鹿児島県1,026953+737.7
45高知県1,023952+717.5
45宮崎県1,023952+717.5
45沖縄県1,023952+717.5
全国加重平均1,1211,055+666.3

都道府県別 最低賃金 TOP10

順位都道府県最低賃金(円/時)全国加重平均比引上げ額
1東京都1,226+105+63
2神奈川県1,225+104+63
3大阪府1,177+56+63
4埼玉県1,141+20+63
5千葉県1,140+19+64
5愛知県1,140+19+63
7京都府1,122+1+64
8兵庫県1,116−5+64
9静岡県1,097−24+63
10三重県1,087−34+64

東京都と神奈川県が1,200円台に到達しました。1,200円台は前年度には1県もなく、2025年度に初めて生まれた水準帯です。1,100円以上も前年度の3都府県から8都府県へと一気に増えました。

一方で、7位の京都府は全国加重平均をわずか1円上回るだけ、8位の兵庫県はすでに平均を下回っています。TOP10の中でも上位3府県と4位以下の落差が大きく、実質的には東京・神奈川・大阪の3都府県が別の階層にあると見たほうが実態に近い構造です。

TOP10の顔ぶれは三大都市圏(首都圏・近畿・中京)に静岡・三重を加えた形で、前年度と同一。順位の入れ替わりは千葉県と愛知県が同額1,140円で並んだ点のみでした。

都道府県別 最低賃金 BOTTOM10

順位都道府県最低賃金(円/時)全国加重平均比引上げ額
45高知県1,023−98+71
45宮崎県1,023−98+71
45沖縄県1,023−98+71
44鹿児島県1,026−95+73
43青森県1,029−92+76
41鳥取県1,030−91+73
41佐賀県1,030−91+74
38岩手県1,031−90+79
38秋田県1,031−90+80
38長崎県1,031−90+78

下位10県は1,023〜1,031円という、わずか8円幅に収まっています。最低は高知・宮崎・沖縄の3県が同額1,023円。前年度に単独最下位だった秋田県は+80円と大幅な引上げで、1,031円まで上がりました。

東京都との差は203円。月150時間勤務なら月30,450円、年1,800時間なら年365,400円の差になります。同じ時間だけ働いても、住む場所によって年収が36万円変わる計算です。

1,000円未満の県が31県からゼロへ

2025年度改定でもっとも大きな変化は、1,000円未満の都道府県が消滅したことです。

水準帯2024年度2025年度
1,200円以上02
1,100〜1,199円36
1,000〜1,099円1339
1,000円未満310

前年度は47都道府県のうち31県、つまり3分の2近くが3桁でした。それが1年で全県1,000円超になりました。最低額そのものも951円から1,023円へ、72円引き上がっています。

「最低賃金1,000円」は長く政策目標として語られてきた水準で、全国加重平均が1,000円を超えたのは2023年度(1,004円)です。そこからわずか2年で、47都道府県すべてが1,000円を超えたことになります。全国加重平均の推移を並べると、直近の加速がはっきりします(出典: 厚生労働省「全国加重平均額と引上げ率の推移」)。

年度2019202020212022202320242025
全国加重平均(円)9019029309611,0041,0551,121
前年差(円)2712831435166

コロナ禍の2020年度は+1円で事実上の据え置きでした。そこから5年で219円上がった計算になります。

上位に集まる都府県の共通点

上位の顔ぶれがほぼ固定されている背景には、制度と経済構造の両方があると指摘されています。

  1. 目安制度のランク区分そのもの: 中央最低賃金審議会は都道府県をランク分けして引上げの目安を示します。2026年度の目安でAランクとされたのは埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪の6都府県で、TOP6とほぼ一致します。制度が上位グループを固定する側面があります。
  2. 求人競合の強さ: 都市部では実際の募集時給が最低賃金を大きく上回るケースが多く、最低賃金を引き上げても影響を受ける事業所の割合が相対的に小さいと考察されます。
  3. 産業構造: 本社機能・金融・情報通信など付加価値の高い第3次産業が集積し、支払能力の面で余力があるとされます。
  4. 隣接県との横並び圧力: 東京都1,226円と神奈川県1,225円の差はわずか1円、埼玉県1,141円と千葉県・愛知県1,140円も1円差です。通勤圏でつながる地域では、人材流出を避けるため額をそろえる力が働くと指摘されています。
  5. 生計費水準: 最低賃金法は「労働者の生計費」「賃金」「通常の事業の賃金支払能力」の3要素を考慮すると定めています。家賃をはじめ生計費が高い地域では、この要素が上向きに作用します。

下位に固定される県の構造

下位10県の顔ぶれもまた、単年度の偶然ではありません。

  1. Cランクとの重なり: 2026年度の目安でCランクに区分された13県のうち、10県がそのままBOTTOM10を構成しています。残る3県(山形1,032円・熊本1,034円・大分1,035円)も下位帯の中にあり、区分と実額がほぼ対応しています。
  2. 事業所規模: 中小・小規模事業者の比率が高く、人件費の上昇を価格転嫁しにくい構造が支払能力を制約していると考察されます。
  3. 産業構成: 農林水産業、観光・宿泊、対人サービスなど、労働生産性を短期で引き上げにくい業種の比重が高い県が並びます。
  4. 同額集中の慣性: 1,023円に3県、1,030円に2県、1,031円に3県と、同額で並ぶ現象が下位ほど強く出ます。近隣県との相対関係を強く意識した審議が行われているためと指摘されています。
  5. 出発点の低さ: 引上げ幅は下位ほど大きいものの、水準の追いつきには時間がかかります。全国最大の+82円を実現した熊本県でも1,034円で、東京都とはなお192円の開きがあります。

格差は203円・1.1984倍へ縮小した

2025年度の改定は、上位と下位の距離をわずかに縮めました。

指標2024年度2025年度変化
最高額東京 1,163円東京 1,226円+63円
最低額秋田 951円高知・宮崎・沖縄 1,023円+72円
最高−最低212円203円−9円
最高÷最低1.2229倍1.1984倍−0.0245
標準偏差52.69円49.08円−3.61円
変動係数0.05280.0460−0.0068

差額・倍率・ばらつきのいずれも縮小しています。理由ははっきりしていて、引上げ額そのものが「地方 > 都市」だったからです。

区分該当県引上げ額
引上げ額 最大熊本県+82円
2位大分県+81円
3位秋田県+80円
4位岩手県+79円
引上げ額 最小埼玉・東京・神奈川・長野・静岡・愛知・滋賀・大阪の8都府県+63円

引上げで見ると差はさらに明確で、熊本県8.6%・大分県8.5%に対し、東京都・神奈川県は5.4%。3ポイント以上の開きがあります。熊本県の+82円は、月150時間換算で月12,300円の増加です。

ただし、縮小幅は9円・0.0245倍にとどまります。**「格差は縮まったが、劇的ではない」**というのが正確な評価でしょう。この速度が続いた場合、差額がゼロに近づくには相当の年数を要します。

「950円台フロア」は「1,020円台フロア」に平行移動した

前年度版のデータで目立ったのは、951〜954円に10県が団子状に密集する「950円台フロア」でした。2025年度、このフロアは消えたのでしょうか。

答えは「消えていない、上に移動しただけ」です。

年度フロアの帯該当県数
2024年度951〜954円10県
2025年度1,023〜1,035円16県

2025年度は1,023〜1,035円というわずか12円幅に16県が入っています。県数はむしろ増えました。水準は約80円上がりましたが、下位が狭い帯に固まるという構造そのものは温存されています。

これは、下位県の額が「経済実態から積み上げた結果」というより、近隣県との相対的な位置関係を保つ形で決まっている可能性を示唆します。数字が上がっても順序と間隔が保たれるなら、それは水準の底上げであって、構造の変化ではありません。

発効日が最大6か月ずれた年

2025年度改定にはもうひとつ特異な点があります。発効日が過去最大級に分散したことです。

発効月県数
2025年10月20
2025年11月13
2025年12月8
2026年1月4
2026年3月2

最も早い県は2025年10月1日、最も遅い秋田県は2026年3月31日発効でした。年度末ぎりぎりで、最速の県とはちょうど半年のずれです。群馬県も2026年3月1日でした。

引上げ幅が大きいほど中小企業の準備負担も重くなるため、激変緩和として発効日を後ろ倒しにする判断が各地の審議会で相次いだと考察されます。実際、2026年1月発効の福島・徳島・熊本・大分はいずれも+78円以上の大幅引上げ組です。

同じ「2025年度の最低賃金」でも、適用が始まる時期は県によって半年違ったわけです。なお2026年8月14日現在は全47都道府県で施行済みで、本記事の一覧が現行額にあたります。

2026年度(令和8年度)の改定はどこまで決まったか

ここからはまだ確定していない話です。表記には注意して読んでください。

決まっていること: 中央の「目安」

2026年7月28日、第75回中央最低賃金審議会が引上げ額の目安を答申しました。

ランク目安額対象
Aランク+54円埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪の6都府県
Bランク+56円北海道・宮城など28道府県
Cランク+56円青森・岩手・秋田など13県

注目すべきは、AランクよりB・Cランクの目安額が大きい点です。2025年度に見られた「地方の引上げ幅が都市を上回る」流れが、2026年度の目安にも引き継がれています。

厚生労働省は「仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1,176円となる」としています。ただしこれはあくまで試算値で、確定額ではありません。実際、2025年度は目安どおりなら1,118円のところ、各県の上乗せによって実績は1,121円になりました。

決まっていないこと: 各都道府県の額

各都道府県の最低賃金は、地方最低賃金審議会の答申を受けて労働局長が決定し、官報公示を経て確定します。2026年8月14日時点で答申が公表されているのは25都道府県で、22県は未答申です。

本記事で額に言及できるのは、一次情報で裏取りできた次の3件のみです。

都道府県2025年度2026年度 答申額引上げ額発効予定日
東京都1,226円1,280円+54円2026年10月1日
三重県1,087円1,143円+56円2026年10月1日
宮城県1,038円1,098円+60円2026年10月1日

宮城県は目安の+56円を4円上回る+60円での答申です。目安はあくまで参考値で、各県の審議会が上乗せを判断する余地があることを示しています。

発効予定日はいずれも2026年10月1日。答申済みの県はおおむね10月1日〜10月中旬の発効予定で、発効日が半年ずれた2025年度から正常化する見通しです。

政府は全国加重平均1,500円という目標を掲げています。2025年度の1,121円からは、なお379円の距離があります。

全都道府県の答申が出そろい次第、本記事の一覧を更新します。

関連動画(姉妹チャンネル)

姉妹チャンネル「統計データのYouTube投稿」では、本テーマの可視化動画を制作中です(公開時にここにリンクを追加します)。

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まとめ

  • 現行の最低賃金(2025年度/令和7年度)は 東京都 1,226円 vs 高知・宮崎・沖縄 1,023円203円差(1.1984倍)
  • 1,000円未満の県は31県から0県へ。全47都道府県が1,000円を超えた
  • 全国加重平均は **1,121円(+66円・+6.3%)**で、金額・率とも過去最大の引上げ
  • 引上げ額は熊本+82円に対し東京・神奈川+63円。地方が都市を上回り、格差は212円から203円へ縮小
  • ただし下位は 1,023〜1,035円の12円幅に16県が密集し、「フロアに団子状に固まる構造」は温存されたまま
  • 2026年度(令和8年度)は目安(A+54円/B・C+56円)が示された段階で、47都道府県の答申はまだ出そろっていない

最終更新: 2026-08-14。本記事の数値は、下記「出典」に挙げた厚生労働省の一次資料から取得しています。毎年の改定にあわせて内容を差し替えます(中央の目安答申=7月末、各都道府県の答申=8〜9月、発効=10月以降)。

出典

この記事を引用するには

本記事のデータ・図表は、出典を明記いただければ引用・転載いただけます(掲載数値は公的統計に基づく事実情報です)。引用時は以下をご利用ください。

「最低賃金 都道府県ランキング【2026年最新】|全47県が1,000円超え」JapanDataLab(2026/08/14)https://japandatalab.com/posts/saitei-chingin-todofuken/

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